日本の灯台
成山堂書店の「交通ブックスシリーズ」、長岡日出雄著。初版発行が平成5年12月となっていますが、その初版のまま、現在(2008.1)でもamazonで買えました。
15年間も売れなかった本、ということになるので、あまり内容に期待は持てないか・・・?と思いましたがさにあらず。大変、中身の濃い、読み応えのある本でした。
著者の長岡氏は官僚出身。第3管区海上保安本部長、海上保安庁灯台部長、さらにはIALA(国際航路標識協会)の会長まで歴任した人のようですが、「灯台」に対しての思いいれはアマチュア並に強いようです。
灯台の歴史、灯台にまつわる文学作品や映画、灯台守の話など薀蓄に満ちた話も多いですし、現代の灯台について、その技術やサービスについての解説もあります。灯台放送に関する記述は、このサイトの別の記事でも引用させていただきました。
普通の解説書では、「それは海保でこう決められている」というような事実の解説が多いですが、著者の場合、航路標識や灯台業務に関するさまざまなルールを「制定する側」の立場で、実際にさまざまなルールを作って来られた経験にもとづく話は、なかなか他では読めない話かと思います。
灯台について色々知りたい、というかたには必読書かもしれません。
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