灯台放送ファン アーカイブ

2008 年 2 月 7 日

ABC(オーストラリア放送)ローカル局 2310kHzほか

Filed under: 中短波で聞く海外放送 — admin @ 11:10 AM

abcmap.jpg
1年中を通して、夜間結構安定して聞こえるのがABC(オーストラリアのNHKのようなもの)の中短波放送です。オーストラリアにはいくつかの州があり、それぞれの州でFMや中波を使ってラジオ放送が盛んに行なわれていますが、左上の地図で示したNorthern Territory(北部準州)では、中短波での放送が3ヶ所から行なわれています。

3つの周波数のどれも、ちょっと遠くの日本の民放よりもきれいに受信できたりしますが、中でも一番強いのが2485kHzのKatherineからの放送です。たとえばこんな感じで(mp3:480kB)聞こえます。

ABCのサイトを見ますと、昼間はさらに高い短波放送で流しているようです。
細かな時間で分けず、「昼間」「夜間」という分け方が大ざっぱでいいですね。

Site       Day Frequency     Night Frequency
Roe Creek      4835kHz        2310kHz
Katherine       5025kHz        2485kHz
Tennant Creek   4910kHz        2325kHz

Roe Creekというのは、Alice Springsのことらしいです。

2008 年 2 月 6 日

Radio Aap ki Dunyaa(VOA) 1539kHz

Filed under: 中短波で聞く海外放送 — admin @ 7:58 PM

dsc_3796.jpgVOAのウルドゥ語放送といってよいのか、Aap Ki Dunyaa(Your World Radio)というラジオ放送が、明け方近くなると強力に入ってきます。実際の放送内容はこんな感じです。mp3:1MB

ウルドゥ語なので内容はちんぷんかんぷんですが、いかにも中東風の音楽がかかることが多く、異国情緒はたっぷりです。聴取ターゲットはもちろんパキスタン向けなんでしょうね。

この放送、UAE(アラブ首長国連邦)のDhabayyaというところにある800kwという強力な送信施設を使っているそうで、http://dgungadoo.blogspot.com/2006_10_01_archive.htmlというサイトに送信施設の写真があったので、ちょっと拝借してきたのが左上の写真です。まあ、なんといいますか、いくらでも大きなアンテナを作っても良さそうな土地ですね。(笑)

VOAのサイトを見ると、下記のスケジュールでの放送になっているようです。(2008.1)
0000-0100 UTC 972 1539
0100-0200 UTC 972 1539 7145 9740
0630-0700 UTC 15325 17685
1400-1500 UTC 972 1539 7495 9370
1500-1600 UTC 972 1539 7495 9705
1600-1700 UTC 972 1539 7495 9370
1700-1800 UTC 972 1539 7260 11500
1800-1900 UTC 972 1539 7405 7495
1900-2400 UTC 972 1539

最後の灯台守

Filed under: 航路標識全般 — admin @ 6:43 PM

灯台守というと、人里離れ、世間と隔絶された灯台で、沖行く船の安全のために黙々と働く人たち。そのストイックさはまるで修行僧のようだ、というイメージがありました。

実際それは比喩ではなく、無人島に立てられた灯台の勤務などは、灯台管理の仕事に加えて、飲料水や燃料の確保など、まずそこで生きていくための苦労も多かったようです。なので、ロマンに満ちたように見える灯台守の仕事も、労働環境・生活環境という点では人道的な問題ともいえるような問題が多々あり、『灯台の無人化』というのは、テクノロジーの発達による合理化観点の所作というだけでなく、昔からの悲願であったようです。

とにかく、日本では、2006年11月12日、最後の有人灯台であった長崎県沖合の女島灯台の自動化が完了し、続く12月5日をもって無人化も完了。最盛期には1,100人もいたといわれる『灯台守』という職業が日本から消滅したのです。

ちなみに、他の国ではどうだったのかと気になって色々検索したところ、アメリカ(合衆国)での最後の灯台守の記事が見つかりました。アメリカでは日本より早く、1998年には国が管理する有人灯台はなくなりました。(最後まで残った有人灯台はBoston lighthouseで、CoastGuardの人たちが面倒を見ていたようです)

ところがアメリカの場合、日本と違って、公務員が管理する灯台だけでなく、企業や個人が管理する灯台(もちろん、CoastGuardとの契約の上、でしょうけど)も多くありました。ですので、灯台が自動化された後も本人の意思で灯台に残った人もいたようで、いわゆる「最後の灯台守」として名前が出てくるのは、ニューヨークはブルックリンにあった「Coney Island Lighthouse」の灯台守、Mr.Frank Shubert という名前です。コニーアイランド灯台自体は1980年代に自動化されていたそうなのですが、このかたは2003年12月に亡くなるまでこの灯台で働き続けていたということです。

ご参考:女島灯台無人化の記事。日本の灯台守は公務員だったのでしかたが無いのでしょうが、「最後の灯台守」という勲章が冠せられたかたのお名前は公表されていないようです。

2008 年 2 月 5 日

潮騒(三島由紀夫)

Filed under: 灯台の本 — admin @ 8:23 PM

shiosai.jpg
灯台、または灯台守が主題というわけではなく、灯台や灯台守がモチーフの1つとして描かれている本を上げていけばきりがないような気もしますが、この本については、是非とも取り上げたいと思って書いています。

三島文学の中では特異な位置付けの本らしいのですが、そのあたりの解説はググるといくらでも出てくると思いますので省略します。また、何度も映画化されていますので、映画をご覧になったかたも多いかもしれません。実は私は映画は見ていないので、あくまでも本を読んでの感想です。

とにかく、描かれている景色も、社会も、そして登場人物の全てが「清浄」なのです。もちろん、純愛小説で、主人公の2人の逢瀬を妨害する相手たちとの喜怒哀楽などもあり、貧しい島での所帯じみた描写も多くあります。が、登場してくる人たちの全て、悪役も含めて全ての人たちが、まぶしいくらいにまっすぐで、正直なのです。

自然と共存し、神を信じ、人を疑うということをしない。いくつか印象的な表現を書き抜いてみますと、まず、屈強な海の男である主人公、新治の、神社での祈り。漁の豊穣や、島の人々の幸福、母や弟の健康をまず一生懸命に願い、最後に、おそるおそる初恋の彼女のことをそっと願う。そして「こんな身勝手なお祈りをして、神様は俺に罰をお下しになったりしないだろうか」と心配するような男なのです。

また、新治の母の描写にも「・・・突堤まで行って波の砕けるさまを眺めた。彼女もまた息子と同じように、ものを考えるときには海に相談にゆくのである。」というくだりもあります。

西洋の小賢しい文明に晒される前の、古代の太平洋の島々の出来事だといわれても素直にうなずけそうな社会であり、人々なのです。以前読んだ大人向けの童話で、池澤夏樹の「南の島のティオ」という、ミクロネシアを舞台にしたこれまた純白な小説があるのですが、読後感はそれに近しいものがありました。

そして、それらの清浄な風景の中に実にしっくりと溶け込んでいるのが、島で最も眺めが良い2つの場所の1つとして描かれている燈台なのです。物語のラストは、島中の皆に将来を祝福された2人が、燈台長の案内で燈台を見学するシーンです。燈台の持つ、「清浄さ」というイメージが存分に生かされた小説のような気がします。

解説などを読むと、舞台になった歌島というのは、伊勢湾に実在する「神島」という島なのだそうです。この島は、取材に来た三島が川端康成に送った手紙で「目下、神島という一孤島に来ております。映画館もパチンコ屋も呑み屋も、喫茶店も、すべて『よごれた』ものはなにもありません。この僕まで浄化されてー。ここには本当の人間の生活がありそうです」と伝えているように、少なくとも、小説の書かれた50年前は、小説の舞台と同じ社会が実在していたようです。

一度、訪れてみたいような、訪れてはいけないような。

2008 年 2 月 2 日

日本の灯台

Filed under: 灯台の本 — admin @ 2:55 PM

nihontoudai.jpg

成山堂書店の「交通ブックスシリーズ」、長岡日出雄著。初版発行が平成5年12月となっていますが、その初版のまま、現在(2008.1)でもamazonで買えました。

15年間も売れなかった本、ということになるので、あまり内容に期待は持てないか・・・?と思いましたがさにあらず。大変、中身の濃い、読み応えのある本でした。

著者の長岡氏は官僚出身。第3管区海上保安本部長、海上保安庁灯台部長、さらにはIALA(国際航路標識協会)の会長まで歴任した人のようですが、「灯台」に対しての思いいれはアマチュア並に強いようです。

灯台の歴史、灯台にまつわる文学作品や映画、灯台守の話など薀蓄に満ちた話も多いですし、現代の灯台について、その技術やサービスについての解説もあります。灯台放送に関する記述は、このサイトの別の記事でも引用させていただきました。

普通の解説書では、「それは海保でこう決められている」というような事実の解説が多いですが、著者の場合、航路標識や灯台業務に関するさまざまなルールを「制定する側」の立場で、実際にさまざまなルールを作って来られた経験にもとづく話は、なかなか他では読めない話かと思います。

灯台について色々知りたい、というかたには必読書かもしれません。

かみつしま(長崎県上対馬町:2007.11)

Filed under: 九州・沖縄 — admin @ 2:01 PM

ckamitsushima.jpg
九州よりも朝鮮半島に近い対馬のさらに北端、三島灯台からの放送です。

■通報内容:(毎時34分の状況)
 三島灯台の風向、風速、気圧、波高。

■出力:50W

■受信報告書宛先:対馬海上保安部交通課

■受信確認証の確認内容:住所、氏名、受信日時(印字)

かみつしま局からは。QSLカードと同時に、レターでも受信証を発行していただけました。(下記)。三島灯台からは、夜になると釜山の街の光がイカの漁火のように見えるとも書かれています。

lkamitsushima.jpg

わかみや(長崎県壱岐市:2007.11)

Filed under: 九州・沖縄 — admin @ 1:52 PM

cwakamiya.jpg
福岡から西北西に100km、壱岐島のさらに北端の小島、若宮島の船舶気象通報局からの放送です。

■通報内容:(毎時33分の状況)
 若宮灯台の風向、風速、気圧、波高。

■出力:50W

■受信報告書宛先:唐津海上保安部交通課

■受信確認証の確認内容:受信日時、受信地(印字)

おおせざき(長崎県五島市:2007.11)

Filed under: 九州・沖縄 — admin @ 1:42 PM

coosezaki.jpg
少し前まで「めしま」(女島)局の放送でしたが、女島灯台の無人化完了に伴い、灯台放送も大瀬埼からの放送になったようです。

■通報内容:(毎時25分の状況)
 女島灯台の風向、風速、気圧。

 大瀬埼灯台の風向、風速、波高。

■出力:50W

■受信報告書宛先:長崎海上保安部交通課

■受信確認証の確認内容:氏名、受信日時(印字)

QSLカード、どうせならアンテナではなく、灯台の画像にしてくれたほうが個人的には嬉しいです。

とい(宮崎県日南市:2007.11)

Filed under: 九州・沖縄 — admin @ 1:35 PM

ctoi.jpg
宮崎県の、鹿児島との県境に近い都井岬灯台からの放送です。鹿児島県の2つの足の右側のつま先、佐多岬灯台の気象情報も流しています。愛媛県にも有名な「さたみさき」がありますが、あちらの表記は「佐田岬」のようです。

■通報内容:(毎時3分の状況)
 都井岬灯台の風向、風速。
 佐多岬灯台の風向、風速、気圧。

■出力:50W

■受信報告書宛先:宮崎海上保安部交通課

■受信確認証の確認内容:受信日時、住所氏名、証明日付

QSLによると、都井岬では波高も放送しているとのことですが、あれ・・・?

げさし(沖縄県国頭郡:2007.11)

Filed under: 九州・沖縄 — admin @ 1:27 PM

cgesasi.jpg
慶佐次と書いて、げさし、と呼びます。沖縄本島にある慶佐次ロラン航路標識事務所からの放送ですが、気象情報は、本島から北に50kmほど離れた伊平屋島、西に70kmほど離れた久米島のものです。

■通報内容:(毎時55分の状況)
 久米島灯台の風向、風速、気圧。
 伊平屋島灯台の風向、風速、気圧。

■出力:50W

■受信報告書宛先:第11管区海上保安本部航行援助課

■受信確認証の確認内容:受信日時、放送文

受信時の放送内容全文が印字されているQSLカードでした。海保のページを見ると、慶佐次の管轄は慶佐次ロラン航路標識事務所となっていますが、QSLを返信してくれたのは第11管区海上保安本部航行援助課からでした。

Newer Posts »

Powered by WordPress