灯台放送ファン アーカイブ

2008 年 1 月 27 日

遠方の局の受信方法

Filed under: 遠方の局の受信方法 — admin @ 1:19 AM

近隣の局(当地であれば八丈島、野島、犬吠埼など)の放送の受信には特にくふうはいりません。昼間でも受信できたりしますが、遠方の局(当地であれば宮古島など)の受信には少しくふうが必要です。灯台放送に限りませんが、ラジオで弱い電波の局を受信するときには5つの鉄則というのがあるようです。(私が勝手に5つの鉄則、と書いていますが、まあ、常識的なことかと思います)

(1)電離層と大気のご機嫌

中波で遠方の局を聞くには、大前提として、夜間に発生するD層といわれる電離層で中波の電波が反射されてくれないと話になりません。(昼間は近隣の局の「直接波」しか聞こえません)

ただ、この電離層は「均質一様」なものではなく、時間と共に変化するのはもちろん、太陽の活動状況や大気の具合によって大きく左右されます。ですので、アラスカの中波放送がクリアに入ってくるような日もあれば、北海道の放送さえ覚束ないという日もあります。

また、放送は聞こえているのに「バリバリッ」という空電が酷くて聞くに堪えないようなこともあります。ヘッドホンで聞いていて突然これをやられると耳が麻痺してしまいそうです。

これらについては基本は「運」ということになりますが、たまたまある日のある時刻に聞こえなかったからといってあきらめる必要はない、ということにもなります。日を変え、時刻を変え、また季節を変えて受信しているうちに結構いろんな局にめぐり合えるようです。

(2)受信ロケーション(受信環境)

  送信地の近くに住んでいるか、あるいは近くまで出かけていけば当然、弱い電波も強力に入ります。。。という屁理屈の話ではなく(もちろん地域は重要なファクターではありますが)、ラジオの置き場所、置き方が大変に重要なファクターであるという話です。まずは、電波を遮蔽するようなものが回りにないこと。次に、ノイズを発生するような電気製品が近くに無いこと。この2つを満たすような恵まれた環境であれば、あまり大したくふうをしなくても多くの局が聞こえます。

逆に、都心の鉄筋マンションの室内で、室内にはTVなど家電製品が山盛りといった環境では、灯台放送どころか地元の強力な民放でさえ受信が覚束ないことすらあります。そういう場合は、とりあえずはラジオを窓際に持っていく、ラジオの方向を変えてみて受信感度が最大となる方向をさがす、などが基本ですが、やはり外部アンテナを設置することが望ましいということになります。

(3)外部アンテナ

ラジオ単体の感度(内蔵アンテナによる感度)は、どんなに性能の良い高価なラジオでも限界があります。逆に安物のラジオでも、外部アンテナとつないでやることによって、感度は格段に向上します。とはいえ、感度はいくらでも高くできるというわけではなく、感度が「飽和」するほど強力なアンテナをつないでしまうと、ラジオのほうが混変調をきたしてしまい、例えば810kHzのAFNが1620kHzでも強力に聞こえ出す、などというようなことも起こるので注意が必要です。(混変調のことを、「お化け」ともいうようです)

ループアンテナ(からのピックアップ線)と接続する場合、ラジオに外部アンテナ端子があればそこにつなぐのが一般的でスマートですが、内蔵アンテナの回り、あるいは近くにピックアップ線を近づけたり離したりすることで、方法としては不細工ですが、簡単に感度の調整ができることもあります。

(4)ラジオ

ラジオは、当たり前ですが、1670.5kHzという灯台放送の周波数を受信できるスペックのものでないといけません。腕に自身のある人であれば、受信範囲が1620kHzくらいまでの「普通の」ラジオでも、バリコンのトリマーをいじって同調周波数範囲を変えてしまう、という荒業も使えるのかもしれませんが。。。

ラジオの選び方としては、感度は外部アンテナ次第でどうにでもなりますので、着目しないといけないのはもっぱら「選択度」ということになります。選択度の悪いラジオだと、東京周辺や名古屋周辺に住んでいる人には、灯台放送の周波数のすぐ近く、1665kHzに出ている東京マーチスや伊勢湾マーチスなどが混信してきます。

ただ、10万円以上もするような通信型受信機を揃えなくても、上記(1)~(3)までの条件が揃えば、1万円程度のラジオでも灯台放送を全局受信することは充分可能です。

(5)最後は、耳。

ノイズや混信が多い放送のなかから目的の放送を「聴き分ける」には、最後は自分の耳の力になります。灯台放送ではありませんが、VOLMETの気象放送や、伊勢湾マーチスなどの英語放送を聞くには「英語耳」の力も必要になります。

また、耳の力とはいえませんが、放送パターンや、灯台の固有名詞をあらかじめ知っておくことで、初めて聞いた人には「ヒシマ灯台」とか「イシマ灯台」にしか聞こえないアナウンスが、きちんと「見島灯台」と聞こえたりするから不思議です。

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