瀬戸内海には潮流が複雑な場所も多く、海難事故も多いようです。
そのため、下記の8箇所に潮流信号所が設置されており、電光掲示板をはじめ様々な方法で、通航する船舶に向けて注意を呼びかけています。
来島海峡:長瀬ノ鼻、大浜、中渡島、津島及び大角鼻
関門海峡:部埼、火の山下及び台場鼻
このうち、来島海峡の大浜は1665kHz、関門海峡の火の山下からは1625.5kHzで、ラジオ放送でも潮流情報を流しています。(出力は5W)。まあ、広い意味での気象放送だと思いますのでちょっとご紹介してみます。
残念ながら、当地(千葉)からは火の山下の放送は聞こえたことがありませんが、大浜のほうは毎夜きれいに受信できます。もちろん、この1665kHzという周波数は(当地では)東京マーチスや伊勢湾マーチスなどの強い信号と混信していますので、それらの放送の「切れ目」を狙わないと、静かに聴くことはできません。
放送内容は例えば下記のようなもので、2分間隔で、女声の合成音声で放送されています。
各局、各局、こちらは、おおはま。
海上保安庁が、来島海峡の、潮流の状況を、お知らせします。
中水道。ただいまは、南流が、3ノット。30分後には、南流が、2ノット、1時間後には、南流が、1ノット。
西水道。ただいまは、南流が、3ノット。30分後には、南流が、2ノット、1時間後には、南流が、2ノット。
大角鼻沖合。ただいまは、南流が、1ノット。30分後には、南流が1ノット、1時間後には、南流が、1ノット。
転流は、x時xx分。くりかえします。(上記繰り返し)
おわり。こちらは、おおはま。
潮流信号所の放送(海上保安庁) はコメントを受け付けていません
灯台放送が船舶向けの気象通報であるのに対し、VOLMETとは、VOice Language METeorological reportのことで、航空用の気象通報です。
世界中数十箇所の送信地点から、世界の主要空港周辺の気象通報が英語で放送されています。日本にも茨城県の名崎(通信関係の聖地?)に送信所があり、東京VOLMETが「太平洋VOLMET」の一員として、成田・セントレア・関空・福岡、さらには韓国のインチョン空港の情報を放送しています。表題に気象庁、と書きましたが、もちろんこれは東京VOLMETの放送に関してだけのことです。
実際の放送はこんな感じです。:mp3(906KB)
私が聞いている周波数は2863kHzですが、6679,8828,13282などの短波のほうがメインのようです。太平洋VOLMETの仲間は、東京、ホノルル、香港、オークランドの4局で、東京は当然として、ホノルルも結構良く聞こえます。(香港は2863では放送していません)
詳しくは、
VOLMET放送(wikipedia)や、HF Volmet broadcastを参照してみてください。
VOLMET放送(気象庁) はコメントを受け付けていません

1957年公開という、50年も前の映画の話。(木下恵介監督)
この映画、佐田啓二 (中井貴一のお父上)と高峰秀子主演で、当時相当に好評を博したようで、その後テレビドラマ化されること3シリーズ、さらには主演を加藤剛と大原麗子で「新:喜びも悲しみも幾歳月(1986)」というリメイク版が作られたほど有名な映画です。
なんでそれをここでご紹介するかというと、これはまぎれもない「灯台映画」であるからです。もちろん、灯台はあくまでもモチーフで、人生をテーマにした深い映画なのですが、戦前から戦後にかけて日本各地の灯台を守った灯台守の人たちの記録映画であるというような見方もできます。
なにしろ、主人公の生活の舞台として登場してくる灯台だけでも、観音崎灯台(神奈川)、石狩灯台(北海道)、女島灯台(長崎沖)、弾崎灯台(佐渡島)、御前崎灯台(静岡)、安乗崎灯台(三重)、男木島灯台(香川)、最後にもう1度御前崎灯台。
ワンショットだけ登場してくる灯台も含めると、大島、水子島(豊後水道沖)、金華山、塩屋崎、尻屋崎、犬吠埼、綾里崎。
原作は、「田中きよ」さんという、灯台守のご主人を持つ方が、1956年に「婦人倶楽部」という雑誌に発表した『海を守る夫とともに二十年』という手記だそうで、描写がリアルなのもうなずけます。(映画の、灯台守夫人の「きよ子」は、田中きよさんを示しているそうです)
で、見終わっての感想なのですが、灯台守の厳しい生活をリアルに描写した、一見、生活感あふれるシーンが多いにもかかわらず、全体に奇妙な透明感が漂っています。全てが身近な日本の出来事では無いような、さらにはこの世の出来事では無いような印象が強いのです。
灯台を守る、というのは、工場を守るというような人為のなせる業ではなく、まるで海の神様を祀る祠を守っているような錯覚に陥ってしまいました。
ストーリーそのものは、現代の感覚からするとやや抑制が効きすぎている感もありますが、そのことがなお一層、モチーフである灯台を際立たせているようです。一度ご覧あれ。
喜びも悲しみも幾歳月(映画) はコメントを受け付けていません
私が漁業海岸局の放送を知ったのは本当に偶然で、たまたま1782kHzで下記のような放送を耳にしたことによります。
「・・・・視程5マイル10キロ。あさっては北西の風15ノット、のち10ノット、天気、晴れ。視程5マイル10キロ・・・・」
おや、こんなところで気象通報(天気予報)??と思って聞き続けていると、「こちらは仙崎漁業、通報無し、さようなら」とアナウンスが入りました。山口県長門市、仙崎漁業無線協会の放送だったようです。
「周波数表」(三才ブックス)を見ていると、漁業関連の業務無線に夥しい数の周波数が割り当てられています。私はこれらは全て「交信用」の周波数だと思っていたのですが、実はそれだけではなく、全国に数十局ある漁業海岸局と呼ばれる局からは、冒頭のような「ラジオ放送」といっても差し支えないような内容の情報が流されているのです。
実際の放送はこんな感じです。:mp3(761KB)(2205kHz:八丈漁業)
ちょっと興味が湧いたので、放送時間を調べてみようとネットで色々検索してみたのですが、出てきません。唯一それらしいものがヒットしたのが、1993年頃の『漁業無線全国通信時間表』をアップしてくれていたサイトですが、さすがに情報が古いようで、そのまま使えるものではなさそうでした。
それでも、放送時間が朝晩に偏っていること、放送時間が極めて短い(1日で数分?)ことなどの大雑把な傾向はわかりましたし、各漁業局に割り当てられた周波数そのものは今でもあまり変更は無いようで、大変参考になりました。
ひょっとして、新しい『漁業無線全国通信時間表』というのはこの世に存在しないのかな?と思い、漁業無線局を統括している全国漁業無線協会というところに電話で問い合わせてみました。大変丁寧に応対していただけたのですが、そこで判明したのは、
・『漁業無線全国通信時間表』は、毎年新しいものを発行しているということ。
・ただし、それは市販はしておらず、(漁業無線協会の)会員向けに配布している資料であること。
・・・・という、残念な結果でした。
とりあえず、周波数表と、上記の古い時間表を参考に、偶然の出会いを期待するしかなさそうです。
漁業放送(漁業海岸局の放送) はコメントを受け付けていません
・・・・古い話題で恐縮です。(^^ゞ
今を去ること20年前にお蔵入りさせてしまっていたSONYのICF-2001Dというラジオをちょっとご紹介します。このラジオ、当時は大げさでなく世界的に有名なラジオで、当時としては画期的な同期検波回路を備え、エアバンドまで聞けるというスグレモノでした。もちろん灯台放送も受信できます。
20年ぶりにスイッチを入れてみたところ、入れた瞬間に「Error」と表示されます!げ。まあ、表示はすぐに消えてあとは普通に使えたのですが、長い間しまいこんであったので怒ったかな??
どうせなので、DE1103と聞き比べをしてみました。
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まずは、中波での選択度の比較。(それぞれナローモードで)
当地千葉では、1134kHzの文化放送が大変強力で、その隣1143kHzのKBS京都はずいぶん影響を受け、安物のラジオだと完全に潰されてしまいます。結果は・・・
DE1103:番組(ANNをやっていた)は完全に聞き取れる。時折「ボゴボゴ」という混信がかかる程度。周波数を少しずらして1144kHzにすると混信はほぼゼロ。総合評価4。
ICF-2001D:聞こえないわけでは無いが、1144kHzにしてもクリアでは無い。総合評価3。。
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次に、短波(とは言わないか)で、2863kHzのHonolulu-VOLMETを受信。(USB)
DE1103:強度3。ややノイズ混じり。内容は完全に聞き取れる。評価3。
ICF-2001D:全く同じ。評価3。
・・・同じアンテナにつないでいるし、混信があるような周波数でもないのであまり比較の意味はなかったかも。ただ、ICF-2001Dは「USB」ボタンがあるので、調整は一瞬で済むものの、DE1103のほうはSSBモードにした上で、自分でゼロビート点をさがさないといけないという手間がかかる。
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ついでにFMでの比較。
安物ですが、3エレのFMアンテナをつないでの受信比較です。東京近郊のNack5とかFM-Fuji、FM-Yokohamaなどではどれも綺麗に聞こえて比較にならなかったので、江戸川エフエムというコミュニティ局(出力10W)での比較です。
DE1103:少しノイズはあるものの、音楽など聞き続けてもあまり苦にならない。評価:3.
ICF-2001D:ICF-2001D:聴けないことは無いが、ノイズがひどい。評価:2.
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以上、簡単な(簡単すぎる?)比較ですが、DE1103の性能は結構秀逸なようです。もちろん、ICF-2001Dは老朽化でガタが来ているのでは?という疑いも隠せませんが・・・。
それに、もちろん、大前提が違うというか、ICF-2001Dのほうは、チューニングは0.1kHz単位で可能だし、wide/narrow/usb/Lsb/、そして同期検波も可能という、「短波放送受信」には非常に威力を発揮するラジオではあります。ただ、中波とFMを聞くというのであれば、今から中古のICF-2001Dなんか買うよりもDE1103のほうがオススメのようです。
ICF-2001Dというラジオ はコメントを受け付けていません

先日、ヤフオクで入手した灯台放送の聞けるラジオです。それぞれ数百円でした。
左のラジオはfuze社の短波ラジオ。fuze社(日本の会社です)のサイトを見ると、今ではラジオは作っていないようですが、「FUZE ラジオ」で検索すると、お風呂ラジオとか真空管風のラジオとか、面白いラジオが結構出回っているようです。左下の写真で「AM」の周波数範囲に着目。なぜか1750kHzというワイドバンドになっています。
右側のラジオ、出品者によると香港製の古いラジオのようだということでしたが、BUSHというロゴ、放送局表示がヨーロッパばかりというところから考えると、どうやらイギリス、BUSH社製のラジオのようです。
このラジオ、LW(長波)+MW(中波)という2バンドラジオで、右下の写真をご覧いただくとわかるよう、周波数表示がありません。(波長表示)。
200meterが1500kHzですから、まあなんとなく1700kHzとかも入りそうな気がして落札しました。
どちらのラジオも、外部アンテナと接続してやると灯台放送はバッチリ受信できました。BUSH社製のほうは気持ちだけ、音も良いようです。ただ、1665kHzの東京マーチスの放送時間になると、弱い灯台放送は潰れてしまいます。

面白ラジオ はコメントを受け付けていません

『灯台放送を聴けるラジオ』と言い切ってしまうと問題があるのですが、ちょっと面白いラジオなのでご紹介。
朝日電器という会社がELPAというブランドで普及型の電気製品を色々出しているのですが、その中のポケットラジオシリーズとしてER-21Tという『デジタルラジオ』があります。私は近所のサティで1,980円で買いましたが、定価は2500円くらいだったと思います。
なぜ、カッコつきのデジタルラジオかというと、確かに表示はデジタルなのですが、デジタルチューニングというわけではなく、アナログチューニングのデジタル表示、という理由です。
このラジオ、某掲示板でもそのコストパフォーマンスの良さが話題になっていましたが、実際、この価格帯のラジオとしては、選択度はかなり良いようです。タイマー機能も充実してるし。チューニングダイヤルがすぐ動いてチューニングしにくいという欠点もありますが、とにかく、このラジオのもう1つの特筆すべき特徴は、「可聴周波数範囲がいい加減」なのです。(笑)
その結果、カタログスペックでは中波:525~1610kHzとなっているものの、私の購入したものは1685kHzくらいまでチューニングでき、外部アンテナをつなぐと灯台放送もしっかり聞こえました。周波数の表示がずれているというわけではなく、実際、1670kHzと表示されるあたりで綺麗に聞こえます。
もちろん、個体差があるようで、全てのER-21Tで灯台放送が聴けるわけではないと思いますが、運がよければ2,000円ほどで灯台放送を聴くことができる、というお話でした。
ELPA ER-21Tというラジオ はコメントを受け付けていません

北海道、積丹岬無線方位信号所からの放送です。
■通報内容:(毎時52分の状況)
神威岬灯台:波の高さ
積丹岬無線方位信号所:風向速気圧
焼尻島灯台:風向風速気圧
松前無線方位信号所:風向風速気圧
■出力:50W
■受信報告書宛先:小樽海上保安部交通課
■受信確認証の確認内容:なし。確認証というよりは絵葉書ですね:-)
しゃこたん(北海道:2007.11) はコメントを受け付けていません


北海道、釧路埼無線航行陸上局からの放送です。
■通報内容:(毎時31分の状況)
釧路港船舶通航信号所の、風向、風速、天気、視程、波高、うねりという詳細情報を通報しています。
■出力:50W
■受信報告書宛先:釧路海上保安部交通課
■受信確認証の確認内容:受信日時。
旧ベリカード(右の画像)も同封されていました。察するに、無骨な建物がどうやら新築されたようです。ちなみに局名も以前は「釧路港船舶通航信号所」でしたが、現在は「釧路埼無線航行陸上局」になっています。
くしろ(北海道:2007.11) はコメントを受け付けていません


北海道、襟裳岬灯台からの放送です。
■通報内容:(毎時25分の状況)
襟裳岬灯台の、風向、風速、気圧、波高を通報しています。
■出力:50W
■受信報告書宛先:室蘭海上保安部交通課
■受信確認証の確認内容:当方氏名(印刷)、受信日時、証明日付。
室蘭海上保安部交通課からはQSLカードだけでなく、大変にていねいな送付状をいただきました。(右の画像) 送付状の中に、受信時刻の放送原文まで書かれています。
えりも(北海道:2007.11) はコメントを受け付けていません