灯台放送ファン アーカイブ

2008 年 1 月 19 日

DE1103というラジオ

Filed under: 受信に適したラジオ — admin @ 6:51 PM

de1103.jpg
中国製のラジオで高性能のものはいくつかあるようですが、中でも有名なのがここでご紹介するdegen(德劲)社のDE1103というラジオです。(ワールド無線で9,800円。送料別)

「DE1103」でググると山のように記事がヒットすることからも、このラジオのユーザーが多いことがうかがえます。しかしなんといってもこのラジオを有名にしたのは、『例の裏技』かもしれません。(裏技を転載するのは気が引けますので、気になる人は『DE1103 裏技』とかでググってみてください。

とにかく、裏技を施すことによって、
(1)0kHz~30,000kHzまで連続受信が可能。
(2)中波でも内蔵バーアンテナを切り離して外部アンテナモードにすることが可能。
という、ちょっとした通信型受信機のような真似ができるのです。

もちろん、基本性能も良く、1665kHzの海上交通情報が1669kHzで聞いている灯台放送に混信したりすることもありません。音質もまあまあだし、RECOUT端子も付いています。別の項でご紹介しますが、FMの感度の良さも半端ではないようです。

強いて難点を挙げれば、デザインがイマイチ。(好みの問題でしょうけど)。大きな液晶ディスプレイに放送バンドがごちゃごちゃ表示されていますが、アナログラジオでは無いので、ほとんど無意味です。また、音量調節がチューニングダイヤルと同じ、というのは、ずいぶん長く使っている今でもやっぱり馴染めません。また、チューニングは「1kHz単位」なので細かい調整も可能ですが、逆に言えば1kHz単位でのチューニングしかできないので、例えば558kHzのラジオ関西を聞いたあと、1669kHzの灯台放送を聞こうなどと思うと、結構、指の運動になります。メモリを活用しないと、素のままではしんどいですね。

しかし、繰り返しますが性能は抜群で、このラジオとループアンテナの組合せで、全ての灯台放送が受信できたのはもちろん、『いろいろな気象放送』や、『中短波で聞く海外放送』でご紹介している放送など、実に色々な放送が受信できました。これだけの性能のラジオが1万円未満で売られているわけですから、ラジオ放送に興味がある人にとっては大変オススメであることは間違いないと思います。

2008 年 1 月 18 日

灯台放送の自動化

Filed under: 船舶気象通報 — admin @ 10:21 AM

先日、「日本の灯台」(長岡日出雄)という本を読み、灯台放送の意外な一面を知ることができました。

灯台の業務というのは僻地の勤務であることが多く、灯台守の人たちが家族共々赴任して業務に従事するというのは、大変に苛酷なことであったようです。また、戦後、海上保安庁管轄の灯台が激増したこともあり、限られた予算で多くの灯台の管理を行なっていくためにも、「灯台管理の自動化、無人化」は極めて切実な課題でした。

昔、光源として石油などを燃やしていた頃ならともかく、戦後であればほとんどの灯台は電力を用いていたため、いわゆる「光の点滅」については、自動化はさほど難しくはなかったようです。もちろん、自動化即無人化となるわけではなく、障害発生時のスムーズな対応や、障害の未然防止のための定期点検業務などがきちんと運用に乗る、という大前提が必要なので、組織や設備の再編などは大変な仕事だったようです。

しかし、なかでも灯台業務の自動化を遅らせたのが、実は灯台放送などの『付帯業務』だったようなのです。付帯業務の1つとして、昔、各灯台では「船舶通報業務」という業務も行なっていました。これはまだ船舶無線が普及していなかった時代に、無線設備を持っていた灯台が、沿岸航行中の船舶と船主・代理店などの間での入出港情報を仲介したり、通航船舶名をロイド協会に通知したりしていたという仕事で、どう考えても「人手」によるやりとりが必須でしたが、この業務は1964年頃には廃止されたようです。

そしてもう1つが灯台放送(船舶気象通報)業務なのです。通報のほうだけであれば、現在でも実施されている音声合成システムを使うことでなんとかなるのですが、問題は、各灯台で行なっていた気象観測業務のほうでした。灯台での気象観測の歴史は古く、明治初年から行なわれていたようです。岬や島などの気候は内陸部とは異なることが多く、気象庁のデータを補完するためにも重要な意味があったようです。
また、波高やうねりなど、気象庁データでは入手できない局地的な情報に対する船舶からの要望も多く、1950年代から、現在に近い状態での「船舶気象通報」が始まったということです。

風向風速気圧といった測定項目は、素人目にも、なんとなくすぐ自動化できそうな気がしますが、波高、うねり、視程、といった「目で見てナンボ」の世界の自動化は、テクノロジーの発達を待つ必要がありました。現在では、レーダーを用いた波高の測定や、レーザーを用いた視程の推定が行なわれているようです。

最後の有人灯台であった女島からも、灯台放送が流されていましたね。

2008 年 1 月 17 日

灯台放送は誰が運営しているのか

Filed under: 船舶気象通報 — admin @ 11:40 PM

長いこと私は、灯台は気象庁の管轄だと信じていたのだが、実は海上保安庁の管轄であったのだ。(最近知った)。気象庁というのは、たしか池澤夏樹が著書の中で「国の役所の中で汚職とはもっとも縁が薄いイメージだ」と書いていたが、全く同感だ。海上保安庁の管轄であると知ったときはちょっとショックだった。

ただそのときはもう1つ誤解していて、海上保安庁というのは海上自衛隊のいるところだと思っていた。実はそうでなく、海上自衛隊は防衛省の管轄で、海上保安庁というのは気象庁と並んで国土交通省の管轄だったのだ。(これはもっと最近知った。防衛庁が防衛省になったというニュースのとき)

・・・ということは灯台はやっぱり気象庁の仲間?いやいやそうでなく、海上保安庁の英語名は Japan Coast Guard。アメリカのCoast Guard(沿岸警備隊)と同様、武力も保有している。
個人的には、沿岸警備は防衛省、灯台業務は気象庁としてくれたほうが落ち着くのだが。

・・・・という記事を以前の書きかけブログのほうに書いたところ、コメントをくれたかたがいらっしゃって、そのまま転載すると、
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沿岸警備まで防衛省がやっちゃうと違法漁船や密輸密航取締りすら軍事行動と受け取られて、国際問題になる危険があります。また、海保が海賊対策として東南アジアで行っている各国支援も軍事援助と非難されてしまうでしょう。

実を言うと、灯台も国防上重要な施設なんです。もちろん航路を維持するためのものですが、戦時中は爆撃機を察知して空襲警報を発していたりしていたので、米軍から攻撃を受けてなくなった灯台職員の方もかなりいます。現代でも、一部の灯台は不審船監視の任務があるとか。海外では、灯台を海軍が管轄しているところも多いですね。民間団体が管理している場合もありますが、気象機関の管轄というのは聞いたことがないです。あくまで観測所ではなく航路標識ですから。
=================

・・・と、「なるほど、そういうことでしたか」と、ひとつ賢くなったのですが、例えばアメリカと較べるとちょっと違うのかなと思えることもあります。

「海を守る灯台業務」は海上保安庁の仕事だとしても、灯台放送というのは、船舶気象通報という名のとおり、正味、気象情報を伝えています。これは、気象庁の発表した情報を伝えているのではなくて、実際に、灯台に「象測器」を置いて、気象観測もやっているのです。

アメリカの場合はどうかというと、灯台を管轄しているのはCoast Guard(沿岸警備隊)で、これは日本と同じ。というか、日本がアメリカと同じ。しかし、Marine Forecastと呼ばれる船舶気象通報は、NOAA(国立海洋大気局。日本の気象庁みたいなものかな)が全て統括しているようで、あまり灯台とは関係なさそうなのです。

まあ、どうでもいい話といえばどうでもいい話ですが。。。

4連ループアンテナ

Filed under: ループアンテナ — admin @ 12:31 AM

a_antall.jpg
私はマンション住まいなので、ラジオの受信環境としてはあまりよろしくありません。おまけに室内には妙に家電製品が多くて、ノイズだらけ。特にプラズマテレビは最悪です。どうしても外部アンテナのお世話にならざるを得ません。

幸いマンションとはいえ1階で、気持ち程度に庭もあるので、そこにアンテナを立ててみることにしました。(右上の写真)私はアマチュア無線家ではなく、電気工学、電波工学系の知識も全く持ち合わせていないのですが、単純な共振回路で理解できるループアンテナなら自作できるような気がしたわけです。(まあ、ありがちな安易な発想だとは思いますが・・・・)

a_lines.jpga_connect.jpgアンテナ枠の素材を何にするか、どう固定するかなど、色々と日曜大工的な失敗を繰り返しながら、最終的に落ち着いたかたちが、表題の4連(4回巻きという意味ではありません)ループアンテナなのです。落ち着いたとはいえ、素人工作の悲しさ、ずいぶん不恰好で見苦しいですが・・・・

で、なぜ4連か?最初に作ったのは、もちろん1連(1つのLC回路)のシンプルなアンテナでした。狙いは灯台放送だったので、あまり同調範囲を広くする必要も無く、2回巻で充分同調できることがわかりました。(同調範囲は1400kHz~2600kHzくらいでした)。

アンテナ線には単芯の皮膜銅線を使っていたのですが、それまでも色々な失敗を繰り返していたおかげで、山のようにアンテナ線が余っていました。「処分するのも勿体無いな・・・、どうせだし、もう1つアンテナを作ろうか。ん?待てよ、2つ作って一緒につなげば感度も倍になったりして。」と、イージーに考え、まず作ったのは2連のアンテナ(それぞれ2回巻)でした。

ところが、驚いたことに、発想はイージーでしたが、明らかに1連のアンテナよりも感度が向上しているのです。さらに驚いたことには、同調範囲が1300kHz~3300kHzと、ぐーんとワイドになってるじゃありませんか。(なんで??)

setuzoku.gifこの発見?に気を良くして、アンテナを一気に4連とし、そのうちひとつは欲を出して低い周波数にも同調できるようにと、容量の大きなエアバリコンについないだ5回巻としてみた、というのが現在の姿なのです。
5回巻の部分を単独で実測してみると、同調範囲は440kHz~1030kHzくらいと、やたら低いほうに偏っているのですが、4つ全部つなぐと、440kHz~3400kHzくらいまで、各バリコンの調整次第で連続的に同調できるのです。アンテナ同士がピックアップコイルの部分も合わせて何か相互作用しているんだと思いますが、ほんとに、なぜなんでしょうね???接続図は右のとおりです。

a_vbox.jpgバリコンの調整には、右のようなバリコンボックスを作ってまとめてみました。灯台放送とその周辺だけであればあまり大きくバリコンの調整をすることはありませんが、周波数を大きくあちこちするような聞き方をするときは大変です。。。

とにかく、このアンテナのおかげで、灯台放送についていえば、「みやこじま」以外の28局は、程度の差こそあれ毎夜聞こえるようになりました。また、週に1度くらいは「みやこじま」も何とか、放送内容が聞き取れる程度に聞こえてくれます。(今が冬だからかもしれませんが)

しかし、調子に乗ってローテーターをつけたり、さらにモノのついでにとFMアンテナまで乗っけたりして、やたらと時間をお金を消費してしまいました。DE1103が4~5台買えたかもしれません。(笑)

2008 年 1 月 16 日

海上交通情報放送(海上保安庁)

Filed under: 海上保安庁の放送 — admin @ 9:29 PM

ちばハーバーレーダーのQSL灯台放送(船舶気象通報)は文字通り、気象情報に特化した放送ですが、海上保安庁が、全国7ヶ所の海上交通情報センターなどから放送している海上交通情報の中でも気象状況がアナウンスされています。もちろん、「交通情報」がメインなので、大型船の入出港情報など、普段聞けない情報が多くて面白いです。周波数は、局によって異なり、1665kHz・1651kHz・2019kHzが使用されています。

■1665kHzでの定時放送スケジュール
毎時00分~:東京湾海上交通センター(東京マーチス)
      名古屋湾海上交通センター(名古屋ハーバーレーダー)
毎時15分~:伊勢湾海上交通センター(伊勢湾マーチス)
      犬吠埼船舶通航信号所(鹿島沿岸情報)ただし04時~19時台のみ。
毎時30分~:東京湾海上交通センター(東京マーチス)
      名古屋湾海上交通センター(名古屋ハーバーレーダー)
毎時45分~:伊勢湾海上交通センター(伊勢湾マーチス)
——————–
偶数時45分~:本牧船舶通航信号所(京浜ハーバーレーダー)ただし、05時~20時の間のみ。
奇数時45分~:東京13号地。ただし、05時~20時の間のみ。
偶数時52分30秒~:塩浜船舶通航信号所(京浜ハーバーレーダー)ただし、05時~20時の間のみ。
奇数時52分30秒~:千葉船舶通航信号所(千葉ハーバーレーダー)ただし、05時~20時の間のみ。

・・・とにかく、同一時間帯に2種類重なっているので聞きやすいとは言えません。
その上、この1665kHzという周波数は潮流信号所も使用しているので、下手をすると(うまく行くと?)さらに重なります。

■1651kHzでの定時放送スケジュール

毎時00分~:備讃瀬戸海上交通センター(備讃マーチス)
      関門海峡海上交通センター(関門マーチス)
毎時15分~:大阪湾海上交通センター(大阪マーチス)
      来島海峡海上交通センター(来島マーチス)
      牧山船舶通航信号所(洞海ハーバーレーダー)ただし04~19時台の偶数時。
毎時30分~:備讃瀬戸海上交通センター(備讃マーチス)
      関門海峡海上交通センター(関門マーチス)
      大阪湾船舶通航信号所(大阪ハーバーレーダー)ただし04~19時台のみ。
毎時45分~:大阪湾海上交通センター(大阪マーチス)
      来島海峡海上交通センター(来島マーチス)

■2019kHzでの定時放送スケジュール

毎時00分~:伊勢湾海上交通センター(伊勢湾マーチス)英語。
毎時15分~:名古屋海上交通センター(名古屋マーチス)英語。
毎時30分~:伊勢湾海上交通センター(伊勢湾マーチス)英語。
毎時45分~:名古屋海上交通センター(名古屋マーチス)英語。

・・・自動合成音声で放送しているようなのですが、ものすごく癖のある英語です。聞き取りにくいこと夥しい。「各局、各局」という呼びかけは、ここでは「All stations, All stationsとなります。

ちなみに。マーチスとはmaritime information service(海の情報サービス)のことで、東京湾海上交通センターを設置したとき海上保安庁燈台部(現交通部)電波標識課の職員が発案したのが語源とのことです。
出典:海上保安庁用語辞典
↑ただし、スペルミスでmaritimeがmarintimeと表記されています。

灯台放送の受信報告とQSLカード(ベリカード)

Filed under: 船舶気象通報 — admin @ 12:40 AM

このサイトの「灯台放送全局紹介」では、それぞれの局の発行しているQSLカード、あるいはレターを添えてご紹介しています。このQSLカード、綺麗に印刷された絵葉書のようなものもありますが、多くはインクジェットプリンターで都度印刷された手作りの味わいがあります。また、灯台をあしらったデザインというのは実に「絵になる」魅力的なものです。私はQSLカードのコレクターではありませんが、灯台放送のカードだけは唯一、「欲しい」と思ったカードでした。

そんなQSLカード(受信確認証)を入手するにはどうするか?
まずは、灯台放送を受信して、受信報告書を書きます。当たり前ですね。
灯台放送の放送時間は1局あたりせいぜい1~2分なので、放送された全文を書き取って送るのが具体的で良いかもしれません。「えりも」局や「げさし」局など、実際の放送原文と照合して、放送原文までつけて返送してくださったりするところもあります。

次に、「切手を貼った返信用封筒」を同封して、管轄の海上保安本部交通課に送ります。
ここで注意しないといけないのは、海上保安部交通課の業務は、決してQSLカード発行が主たる業務ではないということに配慮することです。『受信報告書を送ったのだからQSLカードを返送してくれて当然だろ?』というような態度は慎みましょう。返送までにかかる期間もさまざまです。私の場合も、一番早いところは受信報告の送付後僅か3日ほどで返信をいただけた局もあれば、2ヶ月くらいかかったところもあります。

余談ですが、灯台放送の受信報告書の宛先は、現在と数年前とでは全く異なります。
昔は、灯台放送を聞いたときの受信報告書の宛先は、灯台が立っている地域の航路標識事務所でした。今でもググると、それらを宛先として指定するような記事もヒットしてきますのでお間違えなきよう。

しかし2007年現在、一部の例外を除いて航路標識事務所は存在しないのです。

これは、海上保安庁が平成13年度(2001年)からの5カ年計画で、全国74箇所(当時)の航路標識事務所を各地区の海上保安部へ統合したことによります。
現在では、受信報告書の宛先のほとんどは、管轄区域の海上保安部の交通課です。ですので、「いろう」と「はちじょうじま」、「むろと」と「あしずり」などは同じ宛先になります。具体的な住所はこのサイトの最上部のメニューにつけておきましたので参考にしてみてください。

2008 年 1 月 15 日

潮流信号所の放送(海上保安庁)

Filed under: 海上保安庁の放送 — admin @ 10:09 AM

大浜潮流信号所瀬戸内海には潮流が複雑な場所も多く、海難事故も多いようです。
そのため、下記の8箇所に潮流信号所が設置されており、電光掲示板をはじめ様々な方法で、通航する船舶に向けて注意を呼びかけています。

来島海峡:長瀬ノ鼻、大浜、中渡島、津島及び大角鼻
関門海峡:部埼、火の山下及び台場鼻

このうち、来島海峡の大浜は1665kHz、関門海峡の火の山下からは1625.5kHzで、ラジオ放送でも潮流情報を流しています。(出力は5W)。まあ、広い意味での気象放送だと思いますのでちょっとご紹介してみます。

残念ながら、当地(千葉)からは火の山下の放送は聞こえたことがありませんが、大浜のほうは毎夜きれいに受信できます。もちろん、この1665kHzという周波数は(当地では)東京マーチスや伊勢湾マーチスなどの強い信号と混信していますので、それらの放送の「切れ目」を狙わないと、静かに聴くことはできません。

放送内容は例えば下記のようなもので、2分間隔で、女声の合成音声で放送されています。

各局、各局、こちらは、おおはま。
海上保安庁が、来島海峡の、潮流の状況を、お知らせします。
中水道。ただいまは、南流が、3ノット。30分後には、南流が、2ノット、1時間後には、南流が、1ノット。
西水道。ただいまは、南流が、3ノット。30分後には、南流が、2ノット、1時間後には、南流が、2ノット。
大角鼻沖合。ただいまは、南流が、1ノット。30分後には、南流が1ノット、1時間後には、南流が、1ノット。
転流は、x時xx分。くりかえします。(上記繰り返し)
おわり。こちらは、おおはま。

2008 年 1 月 14 日

VOLMET放送(気象庁)

Filed under: 気象庁の気象放送 — admin @ 10:26 AM

灯台放送が船舶向けの気象通報であるのに対し、VOLMETとは、VOice Language METeorological reportのことで、航空用の気象通報です。

世界中数十箇所の送信地点から、世界の主要空港周辺の気象通報が英語で放送されています。日本にも茨城県の名崎(通信関係の聖地?)に送信所があり、東京VOLMETが「太平洋VOLMET」の一員として、成田・セントレア・関空・福岡、さらには韓国のインチョン空港の情報を放送しています。表題に気象庁、と書きましたが、もちろんこれは東京VOLMETの放送に関してだけのことです。

実際の放送はこんな感じです。:mp3(906KB)

私が聞いている周波数は2863kHzですが、6679,8828,13282などの短波のほうがメインのようです。太平洋VOLMETの仲間は、東京、ホノルル、香港、オークランドの4局で、東京は当然として、ホノルルも結構良く聞こえます。(香港は2863では放送していません)

詳しくは、
VOLMET放送(wikipedia)や、HF Volmet broadcastを参照してみてください。

2008 年 1 月 13 日

喜びも悲しみも幾歳月(映画)

Filed under: 灯台の映画 — admin @ 5:50 PM

eiga1.jpg
1957年公開という、50年も前の映画の話。(木下恵介監督)

この映画、佐田啓二 (中井貴一のお父上)と高峰秀子主演で、当時相当に好評を博したようで、その後テレビドラマ化されること3シリーズ、さらには主演を加藤剛と大原麗子で「新:喜びも悲しみも幾歳月(1986)」というリメイク版が作られたほど有名な映画です。

なんでそれをここでご紹介するかというと、これはまぎれもない「灯台映画」であるからです。もちろん、灯台はあくまでもモチーフで、人生をテーマにした深い映画なのですが、戦前から戦後にかけて日本各地の灯台を守った灯台守の人たちの記録映画であるというような見方もできます。

なにしろ、主人公の生活の舞台として登場してくる灯台だけでも、観音崎灯台(神奈川)、石狩灯台(北海道)、女島灯台(長崎沖)、弾崎灯台(佐渡島)、御前崎灯台(静岡)、安乗崎灯台(三重)、男木島灯台(香川)、最後にもう1度御前崎灯台。

ワンショットだけ登場してくる灯台も含めると、大島、水子島(豊後水道沖)、金華山、塩屋崎、尻屋崎、犬吠埼、綾里崎。

原作は、「田中きよ」さんという、灯台守のご主人を持つ方が、1956年に「婦人倶楽部」という雑誌に発表した『海を守る夫とともに二十年』という手記だそうで、描写がリアルなのもうなずけます。(映画の、灯台守夫人の「きよ子」は、田中きよさんを示しているそうです)

で、見終わっての感想なのですが、灯台守の厳しい生活をリアルに描写した、一見、生活感あふれるシーンが多いにもかかわらず、全体に奇妙な透明感が漂っています。全てが身近な日本の出来事では無いような、さらにはこの世の出来事では無いような印象が強いのです。

灯台を守る、というのは、工場を守るというような人為のなせる業ではなく、まるで海の神様を祀る祠を守っているような錯覚に陥ってしまいました。

ストーリーそのものは、現代の感覚からするとやや抑制が効きすぎている感もありますが、そのことがなお一層、モチーフである灯台を際立たせているようです。一度ご覧あれ。

漁業放送(漁業海岸局の放送)

Filed under: 漁業無線放送 — admin @ 10:48 AM

私が漁業海岸局の放送を知ったのは本当に偶然で、たまたま1782kHzで下記のような放送を耳にしたことによります。

「・・・・視程5マイル10キロ。あさっては北西の風15ノット、のち10ノット、天気、晴れ。視程5マイル10キロ・・・・」
おや、こんなところで気象通報(天気予報)??と思って聞き続けていると、「こちらは仙崎漁業、通報無し、さようなら」とアナウンスが入りました。山口県長門市、仙崎漁業無線協会の放送だったようです。

「周波数表」(三才ブックス)を見ていると、漁業関連の業務無線に夥しい数の周波数が割り当てられています。私はこれらは全て「交信用」の周波数だと思っていたのですが、実はそれだけではなく、全国に数十局ある漁業海岸局と呼ばれる局からは、冒頭のような「ラジオ放送」といっても差し支えないような内容の情報が流されているのです。

実際の放送はこんな感じです。:mp3(761KB)(2205kHz:八丈漁業)

ちょっと興味が湧いたので、放送時間を調べてみようとネットで色々検索してみたのですが、出てきません。唯一それらしいものがヒットしたのが、1993年頃の『漁業無線全国通信時間表』をアップしてくれていたサイトですが、さすがに情報が古いようで、そのまま使えるものではなさそうでした。

それでも、放送時間が朝晩に偏っていること、放送時間が極めて短い(1日で数分?)ことなどの大雑把な傾向はわかりましたし、各漁業局に割り当てられた周波数そのものは今でもあまり変更は無いようで、大変参考になりました。

ひょっとして、新しい『漁業無線全国通信時間表』というのはこの世に存在しないのかな?と思い、漁業無線局を統括している全国漁業無線協会というところに電話で問い合わせてみました。大変丁寧に応対していただけたのですが、そこで判明したのは、
・『漁業無線全国通信時間表』は、毎年新しいものを発行しているということ。
・ただし、それは市販はしておらず、(漁業無線協会の)会員向けに配布している資料であること。
・・・・という、残念な結果でした。

とりあえず、周波数表と、上記の古い時間表を参考に、偶然の出会いを期待するしかなさそうです。

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