島と岬の灯台めぐり

shimatomisaki.jpg 日本一の「島博士」本木修次さんの著書。ハート出版。

副題が「日本一周、ノサップから波照間まで」とあるよう、日本列島の端から端まで、233もの灯台への訪問記です。各灯台のスペックを詳しく知るための解説書ではなく、実際に訪問しての印象を中心に記述されています。

だいたい、灯台というのは地形的に「端っこ」になっている場所にあるため、辺鄙な場所や、離島などに設置されていることが多く、簡単に訪問できる場所ばかりとは限らないようです。この本の中にも、小船をチャーターしたり、けものみちのような道を分け入ったりという、訪問というよりも探検に近いような記述もたくさん出てきます。

私がつくづく感心したのは、著者の本木さんというのは、決してコレクター的なマニアではないという点です。時々見かける「JR全駅制覇」みたいなコレクター的なマニアは、駅が好きというよりも、チェックリストの塗りつぶしに快感を覚えるようで、一度経験した場所は、「もうそこは経験済み」ということで見向きもしないことが多いようなのですが、本木さんの場合、実に50年以上をかけて、辺鄙な場所の灯台にも「何度も何度も繰り返して」訪問されているのです。

灯台に対する愛情と熱意のなせる技なんでしょうね。

ただ、それぞれの灯台についての訪問記自体は、感情移入が強すぎて、少し引いてしまう人もいるかもしれません。ほとんどの灯台を「すらりとした美人」「かわいい娘っこ」「日本健児」などと擬人化しているという点もその1つです。
また、表現自体が例えば「帰り道はもう腹ぺこ、くたびれ。でも両側は絶壁の細い道、用心、用心。」というように、他人に読ませているのか自分に言い聞かせているのか不分明な記述になっているところが多々あるのも、引っかかる人は引っかかるかもしれません。

ただ、日本には本当にいろんなバリエーションの灯台があり、とんでもなく辺鄙な場所に設置されているということを、改めて認識させてくれる貴重な本です。もちろん、実際に灯台を訪問する際のガイドブックとしても役立つのも間違いありません。一読の価値ありです。

表紙の写真の灯台は、「新:喜びも悲しみも幾年月」にも登場した、水の子島灯台です。

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